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高濃度輸送 | vol.4

2021.03.29

高濃度輸送 | vol.4

高濃度輸送 ここが知りたいQ&A

空気輸送の中で、高濃度輸送を採用されるお客様が増えています。
今回は、高濃度輸送について、Q&A形式でご紹介しています。

Q.1 
高濃度輸送の特長は何ですか?
A.1
低圧輸送に比べて、輸送速度が遅く、濃度を上げて輸送する事が出来ます。
その結果、輸送物の壊れが少なく、配管の摩耗も少なくなります。
例えば、低圧輸送で輸送後1%の壊れが発生した場合、高濃度輸送では0.1~0.2%程度に壊れが少なくなります。

【高濃度輸送】
・輸送密度:0.5〜5m/s
・混相比(輸送量/空気量):〜150
【低圧輸送】
・輸送密度:17〜25m/s
・混相比(輸送量/空気量):1〜15

Q.2
高濃度輸送におけるクロスコンタミネーションの防止方法は?
A.2
クロスコンタミネーションは配管内の残留物が問題となりますが、輸送後にブローダウンにより取除く方法が良いと考えられます。
この他には、ピグ洗浄システムやサニタリーパイプの使用なども有効です。

Q.3
配管閉塞に対する防止方法は?
A.3
ブースター数、エアー量の調整、圧力設定により解決するのが良いと考えます。
また、閉塞する部分に圧力センサーを取付け、エアーブローを行うことも有効です。100mm位のプラグで閉塞する場合、プラグを軟らかくし、速度を上げることで対応できます。特に国内では、四季があるので、最悪の輸送状態を考えて設計しておくことが重要です。配管に振動を与えたり、動かしたりして閉塞を防止することもいろいろ試されています。事前にテスト確認を行う事が大切です。
また、配管の段差や異径との取り合いを無くす事が重要です。

Q.4
プラグ輸送においてプラグはいつできるの?
A.4
プラグは粉体の物性に起因することが多く、自然にできるものと考えられています。プラグは砂紋の山が管を閉ざす事によりできます。
ブロータンクのエアー量、二次エアー量によりある程度はコントロールできます。プラグの長さは風速と濃度で決まります。

Q.5
ブースターピッチはどの程度にすればよいの?
A.5
常時ブローの場合、5~10mピッチ。必要時のブローの場合、1~2mピッチ。垂直部には通常取り付けません。

Q.6
高濃度輸送はバッチ輸送ですが、連続で輸送する方法はありますか?
A.6
有ります。下記に弊社高濃度輸送装置トーヨーファインハイプレッソの特長を簡単にご紹介いたします。
図はタンデム構造のバッチ連続式高濃度空気輸送装置のフローシートです。通常はブロータンクが一つでバッチ運転を行います。ハイプレッソはブロータンク下部にロータリーフィーダーを持ち、輸送能力を可変する事ができます。空輸停止、再起動が思いのまま行えます。特に閉塞し易い粉体を制御して輸送することができます。

Q.7
FA化のポイントは?
A.7
FA化ではユニットプロセス間のハンドリングが最も重要になります。FA化を実現するには、能力はもちろん24時間安定的に稼働する装置である事が求められます。そのためには装置を常にコンスタントに運転できて、サニタリー性や洗浄性を考慮した、できるだけ部品の少ない分解組立てが容易な装置を開発する事が必要です。
その点、空気輸送装置は理想的な輸送装置であるといえます。
空気輸送装置を検討する際に注意したいことは、先に述べた配管の段差を無くしたり、わずかなリークでも閉塞の条件となるので摩耗対策を含め、リークする可能性の有る部分をできるだけ減らす事や、クリンナップ、バリデーション、クロスコンタミネーションなどの諸問題をひとつ一つ解決する事が設計上重要なポイントになります。
FA化を成功させるためには制御を含めた高度な粉体ハンドリング技術が求められることになります。

当社では、高濃度輸送装置についても数多くの実績があります。
高濃度輸送装置に関してお困りの点があれば、テストを含めご相談頂ければ幸いです。