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粉体ハンドリング講座

粉体ハンドリング概論

粉体ハンドリングとは、人間の体でいうと循環器系に相当します

粉粒体プラントは、粉砕・分級・混合・造粒・乾燥等に代表される各単位操作機器と粉体ハンドリング操作の組合せで構成されています。

粉体ハンドリングの概念図

単位操作機器のみの組合せによるプラントは殆どなく、必ずと言って良いほど粉体ハンドリング操作が組み込まれています。人間の体で言えば、循環器系(及び神経系)であり、粉粒体プラントには粉体ハンドリング技術が欠かせませんし、単位操作機器の性能を十分発揮させる為にも、粉体ハンドリング操作は重要なKeyとなります。

優秀な粉粒体プラントづくりには、優秀な単位操作機器の選択と優秀な粉体ハンドリング技術の2つがどうしても必要となります。この2つはまさに車の両輪なのです。


「貯蔵」「輸送」「供給」「計量」が粉体ハンドリングの基本操作です

一般に粉体ハンドリングとは「貯蔵」「輸送」「供給」の操作、つまり粉粒体の形状や物性の変化を伴なわない操作と定義されていますが、私たちは更に「計量」を加えた4操作こそ実践的粉体ハンドリングと考えています。

「計量」は計装であって操作ではない、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、粉粒体のプラント、特に自動化を考える場合においては、「計量」も粉体ハンドリングと考えた方が都合が良いので、本講では今後「貯蔵」「輸送」「供給」「計量」(下表1)について述べたく思います。

■表1
貯蔵 粉粒体の流れ(移動)を一時的に調整する、保存する事
(前後工程の能力差を調整するバッファー、投入・排出の操作を含む)
輸送 前工程能力に合わせて粉粒体を移動する事、通常は量的な制御を含まない。
(後工程に合わせる場合は供給となる)
供給 後工程の能力に合わせて粉粒体を移動する事、量制御を含む。
計量 粉粒体を一定の量に分ける、又は一定の割合で集合させる。
(他の粉体ハンドリング操作と併用される場合が多い)

粉体ハンドリングは人手作業を自動化する「省力化」がポイントです

粉体装置の原点は各単位操作機器を使用してその目的を達する為に、例えば粉砕機を使用して粉体を生産する場合は、下図の工程が考えられます。

 
■ 粉砕機を利用する工程
粉砕機を利用する工程

この工程で粉砕機前後の人手作業の部分が、それぞれ「輸送」「供給」-「貯蔵」「計量」の各粉体ハンドリング操作と言えます。

つまり、粉体ハンドリングとは粉体工業の自動化・FA化する以前の人手作業の部分であり、この部分を省人化した物が自動化された粉粒体プラントに他なりません。


粉体ハンドリング技術の優秀さの基準は、粉体物性の多様性を把握しトラブルを発生させないことです

 

今まで人がやっていた事を、粉体ハンドリング機械・装置に置き換えた場合、問題になるのは粉体物性の多様性です。

同じ原料から物理的に粒度加工された粉体でも、粒度分布・粒子形状(表面特性)で粉体物性が異なり、温度・湿度等の環境変化に対しても、液体・気体の様に比例的な物性変化を示さない事が多いと言えます。

もともと「固体粒子+気体の集合体」である粉体の物性を一定にする事はミクロ的に見れば不可能な事であります。(気体:一般的には空気、希には真空の場合もあります)粒度は同じなのに僅かな状態の変化によって起きる粉体の物性・挙動の例として、

今までホッパーからスムーズに排出していた粉体原料が、製造方法や仕入先を変えたらブリッジで排出が出来なくなり、ホッパーを改造した。
原料の水分が多くなったので、乾燥能力のダウンで対処しようとしたら、供給機の定量性がなくなり乾燥製品の水分がばらつく、更には全く供給出来なくなり生産がストップした。
 
というようなことがあります。これらは、粉粒体プラントでは良く起こる現象です。冒頭に優秀な粉粒体プラントづくりには優秀な粉体ハンドリング技術が欠かせないと申し上げたのは、上記の様に、「単位操作」と「粉体ハンドリング」を比較した場合、粉体ハンドリングの方が粉体の状態変化に対して、あるポイントを境に著しい現象・挙動変化が発生して色々なトラブルになりやすいといえるからです。
 
次回より、当社の粉体ハンドリングの経験・実績を基に、出来るだけ具体的な形で「粉体ハンドリング各論」を掲載致します。少しでも皆様のお役に立てれば幸いに存じます。
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